普段何気なく飲んでいる日本茶ですが、実は日本茶にもソムリエがいるって知っていましたか?
ソムリエと聞くと、ワインのイメージがありますが、その分野の専門家の事をソムリエと呼ぶ事も多くなりました。
日本茶ソムリエもその一つで、日本茶のテイスティングだけではなく、日本茶の歴史や文化を広めていける人の事をそう呼びます。
日本茶ソムリエや、茶ムリエと呼ぶこともあるそうです。
一般的に、資格を取得すれば日本茶ソムリエになれますが、ひと昔は日本茶の産地の人や、日本茶教室などに携わる人たちがなることがほとんどでした。
しかし、最近では世界的な日本茶ブームの後押しもあって、趣味として日本茶ソムリエになる方も増えてきています。
ソムリエの人の中には、会社員をリタイアし、趣味として日本茶の淹れ方を学んだことをきっかけにイベント等で活躍している方もいるそうですよ。
今回は、日本茶ソムリエとは一体どんなものなのかをご紹介します。
日本茶ソムリエって何?
一般的に、日本茶ソムリエとは、NPO法人日本茶インストラクター協会認定による民間資格である「日本茶アドバイザー」、「日本茶インストラクター」を取得した人たちの事を言います。
内容は、実技と筆記で、日本茶の全般的な知識を有しているかどうか、また、指導者としての素質があるかどうかを判断するものです。
2015年の日本茶アドバイザーの受験者数は5,000人弱を超え、この10年で2倍に増えています。
静岡県民の受験数が最も多く、次は鹿児島県と、お茶の産地の方が取得する事が多いようです。
受験者の年代を見ると、意外にも20代〜30代が最も多く、インバウンドや海外需要を受けてお茶の魅力が再認識されている事がうかがえます。
これらの資格を取得すると、日本茶のイベントに招かれたり、日本茶カフェや教室を開くことができるなど、日本茶関連の仕事に就く事が可能です。
両資格とも年一回試験が行われ、毎年7月頃に試験要項が発表されます。実際の試験実施は11月(筆記)に実施されます。
「日本茶アドバイザー」と「日本茶インストラクター」の違いは、初心者の方に適している資格が「日本茶アドバイザー」で、中級者以上の方は「日本茶インストラクター」が推奨されています。
その違いを詳しくみていきましょう。
日本茶アドバイザーとは?
日本茶インストラクター境涯が認定する日本茶アドバイザーは、初心者でも取得できる基礎的な内容です。
そのため「日本茶に関心がある」、「食に関わる仕事をしている」、「日本茶カフェで働きたい」などという方にぴったりです。
出題範囲は、日本茶の歴史、産地や生産、日本茶の利用や健康効果、お茶の入れ方などです。
試験内容は、実技講習と筆記試験に分かれており、筆記試験を受けるためには実技講習の受講が必要となります。
実技講習は、煎茶やほうじ茶などのいくつかのお茶が用意され、どのお茶かどうかを判断するものです。
また試験官の方に、お茶の淹れ方を教えるデモンストレーション型の試験もあるそうです。
一方、筆記試験は、〇×のマークシート形式で全100問、制限時間は90分です。
合格率は80%を越えるようですが、日頃からお茶をよく飲んでいないと合格は難しいようです。
なお、詳しい2018年の試験要項は以下の通りです。ホームページより抜粋しております。
実技講習
・日時 2018年9月上旬~中旬(開催地ごとに異なります)
・時間 13:00~17:00
・費用 10,800円
・開催場所 札幌、東京、静岡、名古屋、京都、福岡、鹿児島
・試験分野 札幌、東京、静岡、名古屋、京都、福岡、鹿児島
筆記試験
・日時 2018年11月11日
・時間 開催地による
・費用 10,800円
・開催場所 札幌、東京、静岡、名古屋、京都、福岡、鹿児島
日本茶インストラクターとは?
お茶関連の仕事をしており、指導者側に回ったり、プロフェッショナルな知識を身に着けたい方は、日本茶インストラクターが適しています。
「日本茶の教室を主催したい」「日本茶アドバイザーに指導したい」「日本茶カフェをプロディースしたい」などという方が対象です。
日本茶インストラクターは、日本茶アドバイザーの資格がなくても取得できるので、日本茶インストラクターだけを取得するする人も多いようです。
日本茶インストラクターの2015年の受験者数は13,000人程度で、こちらも増加傾向です。
男女の内訳ですが、日本茶アドバイザーの受験者は女性が8割にも関わらず、日本茶インストラクターはの場合は男性が6割です。
年代は30代が最も多く、都道府県別の受験者内訳は、静岡県、次が東京都と続きます。
ここからわかることは、日本茶インストラクターを取得する人は、生産側というよりも、経営側の人が多いということです。
出題範囲は、日本茶アドバイザーの内容をより発展的にしたもので、インストラクションの項目も詳しく出題されます。
一次試験は筆記、二次試験は実技となります。
筆記試験は、記述式回答を含む全100問で、制限時間は75分分です。難易度は高いようで合格率は約35%。一般的には4~6ヵ月程度の勉強が必要だそうです。
実技試験は、お茶の摘み時期や茶葉種類の鑑定と、インストラクションの模擬実習です。
ホームページより抜粋した2018年の試験要項は以下の通りです。
筆記試験
・日時 2018年11月11日
・時間 12:30~16:20
・費用 10,800円
・開催場所 札幌、東京、静岡、名古屋、京都、福岡、鹿児島
実技試験
・日時 2018年2月上旬~中旬(開催地ごとに異なります)
・時間 開催地による
・費用 10,000円
・開催場所 札幌、東京、静岡、名古屋、京都、福岡、鹿児島
・試験分野 札幌、東京、静岡、名古屋、京都、福岡、鹿児島
日本茶ソムリエになるとできること
日本茶ソムリエになると、美味しいお茶を淹れることができるので、日々の生活に豊かさが生まれます。
取得した人に中は、日本茶アドバイザー取得をしてから、お茶に合うお菓子選びが趣味になった人もいるようです。
他にも、全国各地をイベントを開催しながら回ったり、観光で来た外国人に日本茶の淹れ方や産地のツアーをしている方もいるそうです。
また日本茶インストラクターの中には、自分で日本茶カフェを開く方も多いようです。
その後、経験を生かして、日本茶のカフェのアドバイザーをしたり、書籍を出すなど活躍する舞台は無限大です。
なお、日本茶インストラクターとして3年以上経験を積むと、さらに日本茶マスターの資格も取得できます。
「いかがでしたか?」
このように日本茶ソムリエは誰でも名乗れるものではなく、難易度の高い試験に合格することが一定条件となっています。
まずはそこまで高いレベルではなく、気軽にお茶を学びたい方には、「日本茶検定」という資格がおすすめです。
これは日本茶アドバイザーよりも難易度は低く、しかも年に3回インターネットから受験可能です。
問題数は100問で、所要時間は100分。
まずは日本茶検定で日本茶ソムリエの一歩を踏み出してみると良いかもしれません。
日本政府は、2020年までに日本茶輸出額の100億円超えを目指しています。
これからますます全世界に広がるであろう日本茶。その魅力を正しく伝えていくことも大きな課題となっています。
ぜひこの機会に、新しいライフワークとして日本茶を取り入れてみませんか?